廃用症候群という言葉をご存じでしょうか。
別名「生活不活発病」とも呼ばれており、「身体の不活動によって引き起こされる二次的な障害の総称」と定義されています。
簡単に説明すると、寝たきり状態や、身の回りのことなどを何もしない状態が続くと、いつの間にか以前できていたことができなくなってしまう、ということです。
介護の現場で言えば、周りがすべてをやってくれる状態ですと、いざ自分で何かをやろうとしたときになにもできなくなってしまうことから、生活リハビリを取りいれているところがあります。
生活リハビリとは、着替え、掃除、洗濯、料理、買い物など、普段ご自身で行っている(行っていた)ことをリハビリととらえて、日々の生活の中で体を動かすことを言います。
しかし、ちゃんと根拠があり生活リハビリを取りいれていても、
「うちの親が、料理や洗濯、シーツつけや掃除をやらされている。そんなことは職員の仕事なんじゃないのか」
と、不快に思ってしまうご家族も中にはいらっしゃるようです。
この、ご家族との認識の違いは、入所時にきちんとご理解いただかないと後々のしこりになります。
介護には正解はありません。
ただ、施設と、入所される方との相性は大切です。
グループホームは特に、それぞれの施設のリーダーによって、その施設の方針が多少なりとも変わってきます。
「日々、散歩や生活リハを取りいれて、最後までご自身の力を生かしてほしい。皆様の自立支援の励みになるよう、外出なども積極的に組み入れて、日々活発に過ごしていただきたい」という考えのリーダーもいれば、
「もうご高齢なんだからゆっくり過ごしていただきたい。散歩くらいはするけど生活リハはあえて力を入れません。今まで頑張って来られたんだから、好きな番組を観て過ごしたり、今ならではの、のんびりとした時間を大切にしていただきたい」というリーダーもいらっしゃいます。
どちらも、間違いではないと、私は思います。
グループホームなど、施設入所時には、入所される方と相性の良い施設を選び、納得した上で生活を送っていくことが必要だと思います。
利用者さんは、その場所でずっと暮らしていくのですから。

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